私は一瞬、ポカン、としたが、

「…う…嘘だ!嘘だよ!どうせ訳の分からない泥棒か何かだよ!」

と、私の方こそ訳の分からないことを喚き、私は拳を作ってみせた。

座ったままで。

「姉ちゃん、大丈夫やて。ホンマに何もせぇへんて。」

座敷童子は困ったような笑顔でこう言った。

「嘘だよ!じゃぁ何で畳の無い家に居るの!?」

尋ねてから私は自分で良い質問をした、と思った。

座敷童子は、う、と言葉を濁して、

「…そら、わしらも大変なんや。確かに、これまでわしらは畳のある家にしか出えへんかった。それで事足りた言うのもあるしな。けどな…」

そう言ったきり、座敷童子は口をつぐんだ。

「…けど?」

私は大分冷静になって、自分から続きを催促した。