『・・・たぁ』

若干涙目になりながらも、目を開けるとそこには二人の男の人がいた。
そのうちの一人の顔を見て、言葉を失う。
だって、その男の人の顔が・・・教科書でみた土方歳三の顔だったから。
しかも、教科書で見た顔より遥かに美形。・・・惚れ直しました。

「な?起きたろ?」

土方似の人は、くくっと切れ長の目を細めてもう一人の男の人を見た。
その人を見た瞬間、またもや言葉を失う。
視界に映った顔は・・・インターネットで見た沖田総司の顔だったから。
その二人がいるということは・・・ここは新撰組屯所とみた。
・・・あれ、なんでうちが屯所にいるんだ?

「流石ですねぇ、土方さん」

うちの顔を見てくすくすと笑う沖田(仮)。

「ったりめぇだ。この俺を誰だと思ってやがる」

クツクツと喉を鳴らして笑う土方様(仮)。

『あのー・・・』

間を割れる空気じゃなかったけど、とりあえず割ってみた。
二人の顔は一斉にこっちに向く。

『つかぬ事をお伺い致しますが・・・ここは何処でしょうか?』

辺りを見ると、一応(昔だと)普通の部屋。

「ここは、壬生浪士組屯所だ」

壬生浪士組。その言葉はうちの予想を遥かに超えた答えだった。

『壬生浪士組・・・は、確か新撰組の前の名前・・・ってことは、貴方たちは・・・やっぱり、土方歳三と沖田総司?』

二人の名前を口にした瞬間、二人の顔は険しくなり、沖田(仮)は腰につけ刀の柄を握っていた。
現代なら銃刀法違反で捕まるなー。とのんびり考えている自分が少し怖い。

「おいてめェ、なんで俺たちの名前をしっている?返事によっちゃァ、斬るぜ?」

土方似の人から出た言葉に反応。斬るだとっ!?・・・せっかく土方歳三に会えたのに、すぐに離れるのは是非ともご遠慮したい。
そして暫く考えた後、にこりと笑って答えた。

『未来から来たからです』