雪解け水

いかにも高そうなレストランで食事をした。
母とルイの父親は話し込んでいたが、アタシとルイは終始無言だった。

そんな中先に口を開いたのはルイで、

ちょっと来て、と言ってアタシをお店の中庭に引っ張ってった。



ルイがベンチに座ると、腕を捕まれてたアタシも座らざるおえなくなったので座った。


何か話し掛けなくてはと思った。

しかし気持ちとは裏腹に頭はうまくまわらない。


ルイも口を開かない。



普通なら焦るであろうこの沈黙がなぜだかほっとした。

20分くらいたった頃だっただろうか。


「少しは気分マシんなった?」


唐突にルイにそう聞かれた。


「えっ?」


「さっき気分悪かったんだろ?顔色良くなかったから。」


それで外に連れて来てくれたんだ。


「あの、ありがとうございます。もう大丈夫です。」


「ん。ならよかった。ついでに敬語禁止な。」

ルイはそう言って微笑んだ。



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