雪解け水

「ん――…」


ねむ…
今何時だろ。

手探りで枕元に置いたはずの携帯を探す。


―ゴトッ

物が落ちるような鈍い音が静かな部屋に響く。

携帯が落ちたな。
まぁ、いいや。

アタシにとって、落ちた携帯の安否よりも睡眠のが何倍も大事だ。

実際携帯なんて時計として使う程度だ。
代役なら他にもある。



ふぁ〜。

あまりの眠さに欠伸がでる。
ルイのせいだな。

昨日はあの後ルイと夕飯を食べに出掛けたまま、そこらじゅう連れ回され、

結局帰ってきたのは3時を過ぎていた。
勿論、夜中の。

しかも家の鍵を閉めずにいたことを注意され、耳にたこができる程戸締まりを忘れるなと言われた。



*