ずっと玄関にいるわけにもいかないので、顔を合わせない事を願って、

音をたてないよう細心の注意をはらって、そーっとリビングに続くドアを開ける。





ふぅ。

運よくリビングには誰もいなかったので、安堵のため息をひとつつく。


まったく。
いくらこの家があの人のものだといえ、なんで一緒に住んでる家族がこんなコソコソしなきゃいけのいんだか…。

って、アタシが勝手にしてるだけか。

神経を使った為か喉が渇いたが、一刻も早く自分の部屋にあがりたいので我慢して階段の一段目に足をかけたら





「あら、帰ってきてたの?」




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