はつこい・いちご【短編】

速度としては、大したことなかったと思う。


ただ、あんまりにも私目がけて飛んできたものだから、
恐怖が大きかった。


「ギャーっ‼」



…どうして可愛い悲鳴が出せないのかしら。
レイの言うとおり、
私は女としてダメかもしれない…。


ファウルボールが直撃することはなかった。


それどころか…。


飛んできたボールへの他の人たちの悲鳴は、
次第に「おぉ~」というような、
称賛の入り混じった歓声へと変わっていた。