益は、あたしの手を引いて
ロビーまで連れてきた


「明花…会いに来てくれたの?」

益の声が
弱々しくなっているような
気がした


「うん…、ずっとずっと
益に会いたかった」


あたしの体は自然に
動き、益に抱きついていた

「明花、俺も会いたかった
黙って入院してごめん
明花に心配かけたくなかった
だけど、明花がこうして
会いに来てくれるなら
もっと早く伝えれば良かったな」

益の懐かしい笑顔
笑顔だけは変わってない


ちょっと、あたしはホッとした