「ほんとに結婚するんだねぇ」
「何か寂しいよねぇ」
「でも実紅が幸せなんだからいいんじゃない?」
「あたしも早く結婚したーい」
女子群はあたしのドレス姿をまじまじと見て楽しそうに話してる。
「そんな事言っといて、奈留だって来月結婚するんでしょ?」
女子群の中にいる奈留にそう言うと顔を少し赤らめて手元にあったワインを静かに飲んだ。
「そうだけどさ?結婚式は来年になるかもしれないんだよ?待ちきれないじゃん」
「来年?うっそーん!あたしなんか来月だよ」
高校時代のクラスメートの女の子がふとそう呟いた。
すると奈留は羨ましそうに見つめながら、もう一杯ワインを飲んだ。
「ズルいなー」
「結婚なんか、すぐするもんじゃないよ」
亜実奈がため息をつきながら呆れたように口を開いた。
あたしがこれから結婚するっていうのに。
「だいたい、毎日寝れやしない」
結婚してからあった良かった出来事を出来れば話してもらいたいのに
亜実奈は結婚してからの苦労話を淡々と話し続けた。
それからお昼タイムは終わり
みんな外に出て結婚してない女子群は群がるように両手に花束を持つあたしの後ろに集まった。
そう、これから結婚式恒例のブーケトスが始まろうとしていた。
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