───────………
──────………
待ちに待った日。
憧れてた日。
早くきてほしかった日。
その日がついに来た。
「へぇ、似合うじゃん」
白いドレスを着たあたしをジッと見た後、王子スマイルで舜はそう言った。
似合うなんてめったに言わないのに、こんな日の最初から褒めるなんて絶対ズルい。
こんな時まであたしをキュンとさせようとしてるに違いない。
式間近まであたしを好きにさせようとしてる舜。
こんな化粧してるあたしをもっと赤くしたいらしい。
「実紅が化粧してるなんて、俺がこっちに帰ってきた時以来だよな」
「そうだね。……って、え!?」
あたしが駅まで迎えに行ったあの日、あたしが化粧してたこと知ってたの?!
てっきり何も言ってこないから化粧してることに気付いてるはずがないと思ってた。
「化粧してるの………もしかしてあの時も気付いてたの?」
「ああ」
「だって何も言ってこなかったじゃん!」
「可愛いから」
やっぱり舜は結婚式の今日までも羨ましいほどにズルかった。
.



