確かに空たちにとっては4年ぶりに舜に会うんだからハイテンションでいられないはずがない。
4年ぶりじゃないあたしだって、これからずっと舜に会えるんだって思うと
嬉しくて嬉しくてしかたがない。
やっと一緒になれるんだもん。
もう離れることはなくなるんだもん。
ずっと傍にいれるんだもん。
胸の奥から何ともいえない感情が湧き出そうになった。
「実紅、早く乗って」
あたし1人だけ玄関の前に立っていて、みんなはいつの間にか涼介の車に乗っていた。
涼介の車はワゴン車で一番大きいから今日は迎えに来てもらった。
あたしは後部座席に座った。
それから駅に着くまでにはそんなに時間はかからず車内で3曲聴いた時くらいだった。
車を乗ってて気付かなかったのか携帯にメールが一件受信されていた。
ディスプレイを見るとそこに表示されていたのは舜だった。
“指輪忘れてたら即その場で襲うから”と絵文字も句点もない殺風景な内容。
あたしはみんなが車から降りる中1人で冷や汗をかきながら左手の指輪があるのか確認した。
2つともあるのを確認し、ホッとしたあたしはみんなの後を早足でついて行った。
すると亜実奈が何かを見つけたように先を指差しながら大声で叫んだ。
「あ、あ、あ、あれ!あ、あれ…だよね!」
指差した先には
ダルそうに壁に寄りかかり
髪が少し伸びて、遠くからでも目立つその存在感。
少し背が伸びた舜とあたしとの視線が交わった。
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