舜が遠くへ引っ越したあの日から
あっという間に年月が経ち
あたしはもう大学を卒業をした。
大学の卒業式は中学や高校なんかの卒業式より早く終わったから春休みの時間が長い。
舜の電話があったのは長い長い春休みの最初の日だった。
"明日帰れる"と"駅まで迎えに来れる?"と。
大学四年間の間に数回しか聞かなかった声が電話越しではっきりと聞こえた。
その時は本当に今度こそ我慢してた涙が出そうになってしまった。
でも明日帰ってくることを聞いたからには笑顔で迎えに行ってあげようと思った。
そして迎えた舜が帰ってくる日。
あたしの実家の前にはみんなが集合してにぎわっていた。
「舜に会うのなんて何年ぶり?」
「4年ぶりくらいじゃない?あたしたち夏休みとかも会ってなかったし」
「お前ら4年ぶりなの?俺なんか半年ぶりー!」
「そりゃあ修夜と洸太は休みとかにちょいちょい会ってたじゃん」
奈留と修夜と洸太。
いつものメンバーとは前日から会っててファミレスで語り合った。
涼介と空と優ノ介と晴菜。
みんな前々から行くと言っててくれて、わざわざあたしの実家まで来てくれた。
奈留と修夜と洸太は夏休みとかに舜も一緒に遊んだりした。
だから三人とあたしはそんなにキャッキャとは騒がなかった。
涼介も数回会ってたらしく、落ち着いていて携帯をいじっていた。
空たちは会ってないらしく、ハイテンションでかなりキャッキャと騒いでいた。
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