人は涙を自分で知らず知らずのうちに流していつの間にか涙は溢れ止まらなくなってしまう。
泣きたくないと思ってるとこで出ることもあれば、泣きたいとこで出ないこともある。
自分でコントロール出来ない涙腺はいつの間にか緩んでいて涙が溢れ出てしまう。
「…本当はねっ…」
奈留が涙するからあたしまでつられて涙してしまった。
それから奈留はなかなかあたしを離してくれなかったけど、最後は泣き泣き離してくれた。
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「もしもし?今どこらへん?」
《もう着いた》
「えっ?うそ?!」
《迎えに来てくんねぇの?》
「い、今行く!」
毎日のように聞いていたあの大好きな声も今では電話越しで懐かしく感じてしまう。
会えたのは夏休みの何回かと数日くらい。
我慢したから
泣かなかったから
久しぶりに会えたそのときは
その優しい腕で抱きしめてほしい。
“ただいま”と言ってほしい。
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