「俺に男泣きされても気持ち悪いだけだから」
「ひでぇなー、舜は」
「お前だって男に流れたら気持ち悪いだろ」
「そりゃあな」
誰もが"どっちだよ!"と突っ込みたいところを誰もが我慢して俯きながら笑いを堪えた。
こんな時までおちゃらけの修夜はおちゃらけな修夜のままで、あの寂しい雰囲気を和やかにしてくれた。
それはそれで修夜の力なのかもしれない。
いつだって修夜の周りは笑顔が絶えなくて悲しい時も修夜が何か言えば悲しいのなんか消えた。
「修夜って嘘泣き出来るの?」
奈留も雰囲気を和ませてくれるその1人。
「う、嘘泣きじゃねぇよ」
わざとじゃなく本気で咬んでしまうのですら修夜は和ませる。
嘘をつくことが苦手な修夜は嘘丸出しで咬みまくった。
確かに修夜はすぐに感情込めて男泣き出来るような演技派ではないかもしれないけど
もしかしたら女の子の前なら演技派になれるかもしれない。
泣くぐらい簡単なのかも。
「今泣いてやってもいいんだぜ?これから旅立つ舜さよー」
おちゃらけ修夜は最後の最後までおちゃらけて軽快な口調で喋りだした。
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