どんな雰囲気だよって言われるかもしれないけど、ほんとにそんな雰囲気だった。
「ちょっと!あたしの違いには気付かないの?!化粧に何十分かかったか知ってる?!」
「あ、わりぃ」
「女の子って化粧する時間長いんだよねー、んなにペタペタしなくてもいいじゃんって感じ」
自分の気合いの証の化粧と髪型の違いに気付いてもらえなかった奈留は洸太を相手に
本気で怒鳴った。
そんな2人のいつもの口喧嘩の間で適当にどうでもいいことを話すのは
どこまでも空気が読めない女たらしの修夜。
また最近いろんな女の子に手を出してるらしく噂を再びよく聞くようになった。
「その服初めて見た」
そんな3人の話もいつものように聞き流し無視する舜はあたしを見てそう言った。
「だって新しい服だもん」
「今日のために新しくわざわざ買ったってわけ?」
そして妖しく笑う。
確かに今日着ようとは思ってたし今日のために買ったっていうのも嘘じゃあないけど
本当は昨日着ていこうと思って買った。
昨日舜と2人でどこか出掛けたときに着ていこうと思って買った服だった。
「そういえば、夏休みまでは会えねぇの知ってるよな?」
「……うん」
「我慢出来る?」
そんなこと言ったって
我慢しなきゃならないのは、あたしが一番よく知ってる。
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