From:奈留
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奈留の慰め屋は
今出張中だよん★
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奈留なりの励ましの言葉。
それが今のあたしにはどんな言葉よりも優しく感じた。
すぐに返信して奈留もすぐに部屋に来てくれた。
「今日は泊まってもいい?」
少し遠慮がちにそう言う奈留に笑顔で"いいよ"と言うと奈留はバックを部屋の端に置いた。
それから元々部屋にあったレモンティーのペットボトルを二本出してテーブルに置いた。
もう冷蔵庫の中はペットボトルしか入ってなくて空っぽ状態。
そう、あたしも明日にはこの寮から出て実家に帰る予定だから。
だから荷物も全部ダンボールに入れ終わっていて部屋にはベッドとソファと家電類しかない。
「実紅ちゃんも明日には引っ越しちゃうんだよね…」
寂しそうにそう言うと奈留はレモンティーを一気飲みした。
「奈留だって明後日には引っ越すんでしょ?」
「でも寂しいよ。だって大学行ったら会えなくなるもん」
そうだよね。奈留とも大学行ったら会えなくなっちゃうんだよね。
今までみたいに相談しあえなくなるし無駄話も出来なくなる。
この前まで当たり前だったことが明日から大学に入ってからは当たり前じゃなくなるんだ。
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