あたしも大学に受かったことを報告すると『その顔じゃ落ちてるはずねぇ』と分かってたように言われた。



あたしも無事に料理関係を学べる大学に受かり、奈留も洸太も修夜も無事に受かった。



涼介とかはまだ聞いてないから心配してたけど

後から聞いたら、無事に他の皆も受かったらしい。


これで周りの皆は全員受かったと聞き、あたしの不安も消えた。



これからは皆別々に暮らして、皆別々の道を行くことに抵抗は無かったけど不安はあった。



舜の県外の大学行きに

皆別々の大学に行くこと。


これがあたしには大きな大きな不安になっていた。



でももう頑張れる。


そばに居なくても頑張れると思ったのは皆のおかげなのかもしれない。





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《卒業生、入場》



涙を流す人
いつも通りの人
笑顔の人
抱き合ってる人


皆それぞれの想いを抱えて卒業していくんだろう。


その想いがあたしにも感じられてきた。



「実紅ちゃん、あたしが泣いても引いたりしないでよ?」



今日は待ちに待ったような待ってないような卒業式。



隣に座ってる奈留は涙目ながらも笑いながらそう呟いた。



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