そして、ゆっくり立ち上がった修夜のお姉さんは
あたしの方に近付いてきた。
……え?な、なに?
何が何だか分からないあたし。
すると、あたしの目の前で立ち止まると、ニコッと笑ってこう言った。
「抱き締めさせてっ!」
「…え?」
次の瞬間
あたしは、お姉さんに力強くギュッと抱き締められていた。
こっ、これは?
初対面なのに
いきなり可愛いとか言われて
おまけに抱き締めさせてとか言って、抱き締められて……
さらに頭が混乱した。
「やっぱ女の子はいいわー、抱き締めやすくて」
「姉貴、もうやめろよ。実紅が困ってんじゃん」
「…あ、ごめんごめん」
そして、やっとお姉さんの腕から解放された。
……と思いきや、
「きゃっ」
「声も可愛いー♪」
耳に息を吹きかけられた。
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