「修夜のやつ、おまえにウソついてた」



舜は真顔で呟いた。



「本当は合コンに連れてくつもりなかったんだって」



舜は真顔で話すが


あたしには、さっぱり。


修夜があたしを合コンに連れてくつもりじゃなかった。


それさえも事実に思えない。



「あいつ、母親いねぇんだって」


「…」


「親父がホストだったから、家を出てったっきり帰ってこねぇんだってよ」


「…うそ…」


「ウソじゃねぇよ。だから、姉貴の看病してもらいたかったんだけなんだって」


「…あたしに?」



舜は頷いた。



初めて知った修夜の家庭事情。



お父さんが元ホストだってことは知ってたけど


まさか、お母さんが家を出てったきり帰ってきてないなんて、まったく知らなかった。



あたしは修夜のあの明るい性格だけで


修夜の全てを知っているような気になってしまっていた。



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