深く心の中で深呼吸をした。



「あたしにとって山崎さんは、尊敬する人で。あたしが好きだと思えるのは、舜だけなんです」



少しずつ言葉を進めていく。



「……だから…」


「もういいよ」


「え…?」



山崎さんは喋ろうとしたあたしの言葉を遮って止めた。



それから山崎さんは部活へと戻りあたしとはもう話さなくなった。



あの『もういいよ』という言葉の意味は今でも分からないけど


奈留はあたしの言葉の続きを聞きたくなかったんだよと言った。



やっぱり大人な山崎さんだって告白を断られるのには慣れてないんだよと、洸太は山崎さんの気持ちを代弁していた。





……あれから数ヶ月


舜とも今まで通りの関係に戻ってレディクラのパーティーもいつの間にか終わっていた。



体育祭はあたしたちのクラスが優勝して、打ち上げでは修夜がお酒を飲んでキス魔になってた。




……そして学校祭…



「やっぱ、レディクラの実紅ちゃんが居るわけだし、メイド喫茶じゃね?」

「は?何言ってんのよ、女子全員がそんな格好するわけないから」

「うわ島田学級委員こえーな。彼氏の洸太も何とか言ってやって」

「は?洸太も“あたしら”にメイドになれって言うの?」




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