「弱虫圭太!圭太は弱虫!」


小学校の校庭に響く馬鹿にしたような声。


「おい!弱虫。俺らのランドセル持ってくれよ」


いじめのリーダー的存在のガキ大将は
僕の横にランドセルを投げた。

すると、他の子達も次々と置いていく。

僕の周りには5個のランドセルが置かれた。


「こ…こんなに持てないよ」


恐る恐る、僕は言った。


「なんだよ!!俺様に歯向かうのか?」

「…そんなんじゃないよ」

「じゃあ、頼んだぞ!」

「…うん」


結局5個のランドセルを持って
一人一人の家に届けに行った。