「あの…。」
再び声を掛けられ、ハッと我れに返った。
「はっはいっ!」
声が裏がえってしまった!恥ずかしい!
「あの…。傘、持ってないんですか?」
「あぁ…。今日忘れたたんだ!」
「もし良かったらこの傘、使って下さい」                     
そういって俺に折りたたみ傘を差し出した。
「いいのかよ?」
「はいっ!2つ持っているので!」
ニコニコ笑いながらもう1つの淡いピンクの傘を見せつけた。
その笑顔はとても素敵で、綺麗だった。
「じゃあ…。借りてもいいか?」
「はいっ!」
と俺に折りたたみ傘を手渡す。
「ありがとな!」
その笑顔に俺もつられて笑う。
少し一緒にいるだけで、幸せになれた。
心が温かくなった。