アルヴァレス 4


 その夜、アメリアに出逢った。


「久しぶりね、アルヴァレス。もう会う日はないようなことを考えていたわ。ぼんやりとね」

「オレも。奇遇ってあるんだな。幸運もあるし」

「私と会えたことが幸運なの?」

「この世界でほかに何が幸運ですかね」

 穏やかなその微笑みは、花が開くのを見ているようだ。

この瞬間、オレは弾き手を羨んでならない。


オレは弾かれる側なのである。