きれい。本当にきれい。

言葉なんてこんな時には追いつかない。

この曲を作った人とか、こういう楽器を作った人とかに感謝したくなった。

それから先ぱいと遥くんのお父さんお母さんとか、なんて広くのものに。


 あ。運命とか?


 今こうして座り、二人の演奏を聴いている自分。

選んできたことがこの場所につながっていたことを、不思議に感じている不思議。


初めて、生まれて初めて、千帆は思っていた。



 この場面を、きっと何度も思い出す――