「亜紀――」 ぼくが口にした瞬間、美里の肩がびくっと上下した。 顔色はさっと青くなり、血がにじみそうなくらい、唇を噛む歯に力を入れているのがわかった。 「『なんで亜紀になろうとしてる』のか、教えてくれるか?」 「…………!?」