美里はゆっくりと語り始めた。 「あの出会いを思い出して、最後に一度だけ、このベンチに座った。そしたら、なぜだか立てなくなったの……」 「立てなくなった……?」 「そう。これで終わり、って思って立ち上がろうとしたけど、心はそう思ってるのに……身体が拒否してた……」 それを聞いて、ある人の姿が浮かんだ。