「勇気を出せ、か……」 それからしばらく、ぼくは窓の前に立ったまま、どうするべきかを考えた。 といっても、結論など最初からすでに出ている。 結論に、どう自分がたどりつくのか、それだけだ。 (そうだよ……) 美里は出ていった。 亜紀のことは忘れられない。 そして、今日は大切な命日――。