まぎれもない正論に、返す言葉がない。 反論してこないことを察してか、またいつものおだやかな口調にもどりながら、今度は微妙にふるえる声に変わった。 『よく考えろ、樹。美里ちゃんがどんな想いで苦しんだか。どんな気持ちで亜紀ちゃんになろうとしたのか……。お前と一緒さ。被害者なんだ』 「…………」 『大切な人を亡くした、被害者だ。例えそれが加害者である人間でも』 「…………」 『それでも、美里ちゃんにとっては、お前が亜紀ちゃんを大切に想うのと同じように、大切な存在だったはずだ――ちがうか?』