愛してるの口づけ

ダイニングのテーブルの上のおかゆを見て立ちつくし、

そんなことを考えている私はどこまでわがままなんだろう。

ブルルルル

外で彼がバイクのエンジンをかけている音が聞こえた。

ここは、マンションの5階の彼の部屋。

ここからは、歩いても自転車を使っても微妙に遠い距離にしかお店はなくて彼は一人で出かけるときはいつもバイクを使っていた。

でも、それは一人で出かけるときだけで、

私といるときはいつも黒くて少し高級そうな車で出かけるから、

彼にバイクのイメージは全然似合わなかった。

それは、私の中のバイクのイメージが先輩でいっぱいなのも原因の一つかもしれない。

先輩は、車の免許をまだ持ってなくていつもバイクで行動していた。

そういえば、あの日もバイクだった。