愛してるの口づけ

すると先輩が「くくく」とひとしきり笑った後に、

「なんだよ。なんか言えよ。人がせっかく誕生日おめでとうの電話してやってんのに・・、いや明日するべきだろうけどさ、明日バイト入っているから、ゆっくり電話できそうになくてさ。」

すべてを聞いた後だっただろうか、

それは聞き終わったのと同時だっただろうか、

それとも聞いている途中だっただろうか頬に熱いものを感じた。

それが涙と気がついたときには、熱でおかしくなっているのだと思いこんでもダメなくらい先輩のことを愛してしまっていた。

「・・・・ています」

泣きながらとぎれとぎれに言った言葉に先輩は困惑した声を上げた。

「ん?どうした?てかお前泣いてる?」

私は、もう少しで裏返りそうな声のその質問には答えず大きく息を吸い込んで

「愛しています!!」

とほとんど叫んだように言った。

「・・・・んだよ・・・おれも愛しているよ。」

いつも余裕な先輩が珍しく戸惑ったのか、少しの沈黙の後聞こえるか聞こえないかのはざ
まぐらいの声で私が世界で一番欲しかった誕生日プレゼントを言ってくれた。