スペシャルバカノノビシロ

狭い寮の部屋。

冷蔵庫の前に、龍太郎とほぼ同じ体格の男が座り込んで、一心不乱に中身を貪り食っていた。

身につけている白いTシャツの下の上半身は、くっきりと筋肉を浮き上がらせている。

丸太のような上腕二頭筋、弾丸さえ弾き返しそうな大胸筋、首なんて脳震盪とは無縁なのではないかと思うほどに太い。

その首の上の頭が。

「ん?」

クルリと振り返る。

「おお、龍太郎、帰って来たのか」

モシャモシャと咀嚼しながら龍太郎を見る黒髪短髪の男は、実に龍太郎によく似ていた。

もう数年もすれば、龍太郎はこんな青年に成長するだろうという見本のように。