今宵もおとぎはぼやいてる

電話にて。
少し前の話


「あーお前もうそろそろか誕生日」

『うむ。崇めよ』

「何故に」

『…あ、何か昔の誕生日思い出した、消しゴム』

「…消しゴム?」

↓回想中―――


いや、中学生の時のことだけどもね。

その日僕の誕生日だったのですよ。
誕生日プレゼントもらってほくほくしてましたともさ。
そしたらまぁ、仲の良い友達がそれを見て「あ、今日お前誕生日じゃん」と思い出したのですよ。
あ、仲良いのに誕生日忘れられてんのかとか突っ込みは無しね。うん。
で、まぁ「ごめんプレゼントとかないや」と。
『別にいいよ、有難うな』と返したらば
「まぁおとぎの為に買う金とか無いしめんどいし」と。
オイコラとか思ったけど。

そしたら机にあった僕の消しゴムの【M○NO】…あれ伏せ字にしたのに普通に読めるや、を「こいつぁ使えるぜ!」とか言って拉致しやがりましてね。

その上、油性ペンと修正器を要求され貸したらば。

五分後

「はい、おとぎ。誕生日プレゼントだ!!」
『こ、…こいっぁ…』
【MONO】が
   _
【MUNO】

になって帰ってきましたとさ。

――――


『ってことがあってさぁー、無能って!!』
「…おま、…」

『いやぁ…誕プレに爪切りもらったことより印象深いぜ』

「(爪切りて)いや、あの…、お前怒ったりは…」

『大爆笑!!あっはっは』

「…そんなお前が嫌いじゃないぜ」



おとぎさんは何があっても幸せだけを見ようと踏ん張っています