今宵もおとぎはぼやいてる

1頁前の子とその後の会話


「あはは、おとぎ本当面白い!やっぱ変っ」

『えー、僕めっちゃ普通なんだけど。あ、あれか。新手の口説き文句!?やーんモテモテで困っちゃう~』

「そういう盛り上げな会話を爪切りに集中しながらペラペラ言っちゃうところ。こっち見てないし」

『あははごめんごめん』

「人の誉め言葉を真に受けない所。何だかんだ恩義に厚い所。大切にしている友人以外はかなりどうでもいいと思っている所。人を基本的に信用してない所」

『…、』

「へらへらしている振りして警戒しまくりな所。大人が大嫌いな所。顔には出さないけれど先生という存在を疎んでいる所。自分に負担がかからない演技が上手い所。可哀想って言われるのが一番嫌いなとことか、あとそういうの感付かれたくないからいつも笑っているとこ、とか」

『………』

「そういうとこ、変わってて面白い」

『…そりゃドーモ』

数年前にあった会話。
見たときから人間観察の上手そうな子だとは思っていたけど、これにはかなりたじろいだ。
因みにこの二倍は言われた。
苦手な人。
二度と逢いたくない。
あぁでも、話すならいいかなぁ。
あでもやっぱ怖い。