ONLOOKER Ⅲ




「それで……あ、直姫には写真見せたことあったっけ?」
「え……? なかったかな」
「そっか。でね、甲羅がちゃんと赤いんだよね」
「へぇ……赤いの」
「うんそう、赤いの。だからきっともう茹でてあるやつなんじゃないかと思うんだ、僕。」
「茹でてなくても赤いのはいるよ……」
「え? そうなの。毛ガニとか? じゃあ生きてる設定かなぁ」
「生きてる設定かもね……」
「お前ら一体何の話をしているんだ……?」
「へ? あ、北海道で見たこーんなにあるカニのオブジェのことです」

そう言って真琴は、大きく腕を広げた。
3メートルくらいはあってすごくリアルだったんですよ、しかも別にお店の前とか看板とかじゃなくて、畑の隅っこに邪魔くさそうに置いてあって。
そう言う彼の隣では、直姫が自前のノートパソコンを開きながら意外と律儀に相槌を打っている。