本当は、めちゃくちゃさみしかったけれど、ぼくは笑顔で見送った。 彼女が近いうちに、また『ただいま』とノートを広げてぼくに見せてくれる日を思い描いて。 『いってきます』 「楽しかったよ」 こくり。 「またね」 こくり。 「気をつけてね」 こくり。 「家に帰るまでがデートだからね」 ふふっ。 「もう一度キスしよう」 こくり。