。● 午後8時12分。 新幹線は、定刻通りに駅へやってきた。 『じゃあ、またね』 彼女の文字に、ぼくはかぶりをふる。 「いってらっしゃい」 一瞬、きょとんとした表情を浮かべた涼子だったけれど、ぼくが「いいんだ」とうなずくと、やわらかな笑みに。