「大丈夫?」 涼子はうなずいて、震える指先で書いた。 『私、今までしゃべれなくていろいろ苦労したけど。 今が、 いちばん、 もどかしい……』 「なんで?」 背中をさすりながらたずねると、彼女は文字で埋まったページをめくり、ひと言だけ綴った。