「ネットの関係って、やっぱこんなものなのかな……」
やがて、ひねくれてくる心。
反省してもダメなら、開き直るくらいしか気持ちの持って行き場がなくて。
「星の数ほどいるっていうし」
通っている大学にも、女性はたくさんいる。
顔も知らない、声も知らない、文字しか知らないどこのだれよりもよっぽどリアルな恋だって、やろうと思えばできなくもない。
「って、カンタンにできたら苦労ないよな」
こうしてまた、ふりだし。
文字だけだろうとなんだろうと、自分の中で涼子が特別な存在になっていることはごまかせない。
「向こうは違ったのかな……」
告白もしてないのにフラれたような気分になり、抜け殻で過ごす日々。
そうして、一週間ほど続いたあるときだった。