彼女は、一文書いてはぼくの顔を見て、うなずくのを合図に次へ書き進める。 『でも、成長すると不思議という想いが、今度は苦しみに変わった。声を出せないことの不自由さが増えてきたから』 「…………」 『だから、最初こそ明るくふるまっていたけど、そのうちどんどん暗くなっていった』 「……そっ、か」