ぼくの中のぼくが、せっつくように唇をこじ開けようとする。


「…………」


けれど、そんなぼくが口を開く前に、涼子が指を動かし始めた。



『もうすぐ、お別れね』



膝に置かれたノートには、そう書かれていた。