「少し持ちにくいけど、しばらくすれば冷えてくるだろうから」 こくり。 ふと視線を向けた涼子のまつ毛は、粉雪が乗っかって、銀のマスカラをつけているように光り、とても綺麗で。 けれど、ちょっぴり震えていた。 それは寒さゆえのものでもあり。 別の何かゆえのものでもありそうだった。