「こっちは工事中みたいだから、あっちを歩こう」 こくり。 ぼくは、直線で行けば数分の道のりを、わざと迂回した。 当然、工事なんてやっていないし、それらしい音も看板もない。 ――少しでも長く一緒にいたい。 その一心で、ぼくが導き出した「嘘」だった。