しばらく歩いていると、やがて見えてくる小さなアパート。 その二階にある五部屋のうち、いちばん奥がぼくの部屋だった。 「さあ、どうぞ」 ひとしきりあちこち見回して、 『男の人の部屋にお邪魔するの初めて』 と、そわそわしていた彼女は、けれどすぐに順応していって、台所に立ち、手際よく料理を開始した。 そのあいだに、ぼくは近所のケーキ屋に走って、あらかじめ注文していたとびきり奮発のケーキを買った。