「さあ、おりようか」 ぼくが見計らって言うと、彼女は 「えっ」 という顔をした。 『これだけなの? 京都タワー』 「うん。まあ、おりるときにいろいろとあるけどね」 『そうなんだ』 彼女は落胆の色合いの息をはきつつ、ぼくのあとについて階段をおりた。