「そっか」 こくり。 出会えた喜びと、別れのときの悲しみのギャップは、凍てつく空気と相まってぼくを苦しめた。 何気なくふり返ると、ふたりぶんの足跡が、少し積もった雪についている。 ヘンゼルとグレーテルでいうところの、パンくずみたいに。 もっとも、この道へもどってくるのは、 「ぼくだけ」 なのだけれど――。