――会いたい。 ぼくは、純粋に涼子を求めた。 ――11月29日なんだけど。 そう付け加えた。 具体的な日づけなのは、20歳の彼女の誕生日で、つまりは「誕生日をふたりで過ごそう」という意味だ。 2日ほど返事に間があったのは、きっと彼女が自分の抱える不自由と、何度も何度も会議を開いていたからなのだろう。 (また少し、時期が早すぎたかな) 反省しかけたものの、届いたメールには、 『うん』 と書いてあった。