結果は6-0。

敗因は何か。

考える暇もなく、次の試合。

岩田との試合。

野口よりも強い割に、6-2。

オレが取った点というよりも、岩田の取らせた点。

つい遊び心で~、らしい。

高須対和島はとにかく長い。高須の試合はいつもそうだ。

他人のことはさて置き、因縁のマークとの対決。

今回こそ勝つ。

「Which?」

「ハーフ」

「どうせ裏の裏だろ?」

マークはそう言って回す。スルーとかノリ悪すぎだろ。

野口みたいなツッコミもなければ、岩田みたいに試合中ずっとノったままでもない。

ラケットは表。

「ほら、どうする?」

余裕と言うよりは、オレと試合することが馬鹿げてると言わんばかりの口調。オレは無性に腹が立った。

「サーブで」

本当は得意ではないけど、憂さ晴らしに。



オレのサービスゲームが終わったところで、高須と和島の試合は終わっていたらしい。

さっきまでそこで審判をしていた夕月がこっちに来た。

「そんな力込めて打ってるだけで入る訳ないじゃん」

マネージャーとしてプライドが高いのか、怒ったような口調で注意を受ける。

「まぁ、そんな怒るなって」

「怒ってないっ」

高須の一言に、さらに声を大きくする夕月。

「そんな顔も可愛いけどさ」

「っ…ななななななっ…」

高須が一言そう言っただけで、夕月は顔を真っ赤に。平気でそんなことを言えるのか。

おかげで説教は即終了。ありがとう高須。

試合に移るが、マークの顔見ると腹立つ。

マークのサーブはかなりゆっくりな球。素人のオレが見てわかる、素人の安全策を取ったサーブ。

イライラするオレは思いっきり力任せなストロークを打った。

すると、なんと、入った。

クロスに打った、マークの足元に、ラインギリギリに入った。

「おぉ~」

周りの奴らが驚く。

「それをストレートに打ってみれば?」

「力任せにではなく、腕を振る力で」

岩田と和島によるアドバイス。それを聞いて、次は意識して打ってみる。

「どうせ偶然だろ」

そう言って打ったサーブは、また同じような球。

オレは言われた通りにやってみた。