私はぐるりと部屋を見渡した。 「無理だな。無理」 私は自分の心がしめつけられるのに耐えれず部屋を出ようとした。 「ん?」 私は一瞬視界に捉えた一枚の写真に視界を戻す。 「えっ」 それはなんの変哲もない少年の写真、じゃなかった。 明らかに他とは違う。 彼は笑っていた。 他の少年は口を固く結び、目はどこか切なそうな表情。 しかし彼は目を細くし、優しく笑っている。