天神学園高等部の奇怪な面々Ⅵ

すっかりお化けのメイクも取れてしまっている美葉。

おんこが目を丸くする。

「美葉ちゃんっ!こんなとこで何してるんだいっ!もうクラスの出し物は始まってるんじゃないのかいっ?」

「……」

バツが悪そうに口を噤む美葉。

あれから随分経つというのに、結局自分のクラスにも戻れていないらしい。

流石、弟の葉也といい彼女といい、黒部の血筋の方向音痴は筋金入りだ。

「それにしても」

ルイがニッコリ微笑む。

「鼓姫ちゃんも美葉ちゃんも、テンジンジャー見てくれているの?嬉しいわね」

「当たり前だ!日曜の朝は早起きして、テレビの前で正座しているのだ!わしだけでは起きれないから、芽々に起こしてもらっているのだ!」

芽々の心中察して余りある話である。

「私は自分で起きてるけどね…」

美葉が苦笑いした。