ラビが歌を終え、ステージを降りる。

アンコールの声は当然の如く止まないが、残念ながらこの文化祭のステージも予定が詰まっている。

いつまでもラビ一人に時間を与えてやる訳にはいかない。

その代わり、文化祭実行委員長はオーディエンスに一つ約束をした。

『来年の文化祭のステージでも、ラビのライブの場を必ず設ける』

彼が卒業していようと、音楽の道でプロデビューしていようと、必ずライブの場を設ける。

それが彼のファンを納得させる、唯一の方法だった。