天神学園高等部の奇怪な面々Ⅵ

無口無表情のまま、鮮やかな手捌きで焼き鳥を返すヴァースキ。

その目線は焼き鳥から離れない。

一流の料理人の如き、焼き鳥に対する熱意。

が、その顔が。

「……」

ふと上げられる。

と思ったら次の瞬間には。

「あ、あれっ?」

突然焼き場を放棄して、さっさと歩いていってしまうヴァースキ。

「ちょっ、どうしたのヴァースキ?」

呼び止めるルイに対して。

「…………材料の仕込みに行って来る」

振り向きもせずに彼は呟いた。